fc2ブログ

雲仙地獄めぐり

地獄とはこのような世界なのか?

温泉神社裏参道の先には

DSCN7781.jpg


雲仙地獄が広がっています。

DSCN7782.jpg


温泉余土の白い世界と噴き出すガスにおおわれた一帯が雲仙地獄です。
日本の仏教では、死後人間は三途の川を渡り、閻魔の裁きを受け
最も罪の重いものは地獄に落とされると言われています。
地獄には、焦熱地獄、極寒地獄、賽の河原、阿鼻地獄、叫喚地獄などがあるといわれています。

いたる所から高温の温泉と噴気が激しく噴出し
強い硫黄臭が漂う湯けむりの中に見える世界は
まさに地獄の景色そのものと言えるのではないでしょうか?

行基がこの地に
先日紹介の温泉山満明寺を開山したのもこの世界があったからかもしれません。
雲仙は以前は温泉(うんぜん)と表記されていましたが
これは温泉山満明寺の山号からきたものです。

DSCN7783.jpg


100℃近くある青白い湯は温泉の源泉となっています。
泉質は硫酸酸性の硫黄泉で、強い酸性を示しています。

DSCN7785.jpg


シューシューと音を立てて吹き出している噴気の最高温度は120℃。
大部分は水蒸気ですが、炭酸ガス、硫化水素ガスを含むため
強い硫黄臭が漂っています。
(硫黄は無臭なので正しくは硫化水素の臭いとするのでしょうが…)

この辺りは「八万地獄」と呼ばれる一帯で
八万地獄とは
人が持っている八万四千の煩悩によってなされた悪行の果てに落ちる地獄だそうです。

DSCN7788.jpg


この白い土は温泉余土といわれ
この地帯の安山岩が高い地熱と温泉の強い酸性のため変質したものです。
酸の影響で脱色して白灰色の粘土状になっています。
噴気孔の周りには白~淡黄色の「湯の花」がみられます。
これは噴気の硫化水素と土中の鉄やアルミニウムなどが
化学反応し結晶化したものです。

DSCN7789.jpg

DSCN7790.jpg

DSCN7792.jpg DSCN7793.jpg


ボコボコとお湯を噴き出しているのは「お糸地獄」

その昔、
島原城下で、たいへん裕福な生活をしていたのに密通をしたあげく、夫を殺してしまったお糸という女がいました。
お糸が処刑されたころにこの地獄が噴出したので、「家庭を乱すと地獄におちるぞ」という戒めを込めてこの名前がつけられたといわれています。

-現地案内板-



DSCN7797.jpg


「雀地獄」

このあたり一帯では、地下から噴き出したガスが水中ではじけて、ピチピチと小さな音をたてています。
ちょうど、スズメがたくさん集まって鳴き騒いでいるような感じがするのでこのような名前になりました。

-現地案内板-



実際
禁教時代のこの地はキリシタンにとっては地獄で
多くのキリシタンが両足に縄を掛けられて逆さ吊りにされ
湯壺に浸けては引き出すことを数回続けられ殉教したり
衣服を脱がせ柄杓で熱湯を掛けて拷問を加えられた末に殉教しています。
雲仙地獄殉教地としてこの地獄を見下ろす丘の上には十字架がたっています。

今は温泉の源泉として利用され多くの観光客が訪れる雲仙地獄。

DSCN7798.jpg


雲仙地獄のエネルギー源は、橘湾の海底のマグマ溜りだと考えられています。このマグマ溜りから発生した高温高圧のガスは、岩盤の裂目を通って上昇し、その途中で化学変化を起こし、いったん高温熱水となります。その熱水の沸騰によって生じたガスが、激しい噴気となって現れており、雲仙の温泉はこのガスとまわりの山からの地下水が混ざり合って生成されたものです。

-雲仙温泉観光協会HP-



「温泉山満明寺」の開山に始まり
悲しい歴史もある雲仙は外国人の避暑地として発展し
この地獄も観光地となっています。

温泉の効能は血行促進、疲労回復、リウマチ、糖尿病、慢性皮膚疾患などです。
温泉に浸かれば極楽なのですが…

雲仙地獄
雲仙市小浜町雲仙320


2019-11-23 19:30 : 旅行 : コメント : 16 :
コメントの投稿
非公開コメント

No title
う~ん・・・この記事読んでいて、地獄も極楽も表裏一体・車の両輪のような気がしてきました。
雲仙の地獄が無ければ雲仙の温泉の極楽も無し。
それにtorさんは現に地獄に行って無事に、奥さんの待つ天国に帰って来たようですので、地獄も現在は出入り自由で恐れることはないって感じですね。
温泉は「うんぜん」でしたか。これまた驚きですね。全国の温泉はこれからは「〇〇うんぜん」と呼びたくなりますね。
そういえば毎年のルーチンだった最近は草津や伊香保温泉巡りは、すっかりやってません。
最近はあちこちにボーリングで出てきた温泉施設が作られ、もっぱらそれを利用しています。2~3時間あればゆっくり浸かって帰ってこれます。
2019-11-23 20:56 : わけい URL : 編集
No title
こんばんは。

地獄というと別府が有名ですが、雲仙にもあったのですね。
まさに地獄そのものの風景ですね。
2019-11-23 21:12 : narayama2008 URL : 編集
No title
こんばんは

別府の地獄めぐりは行ったことがありますが雲仙はないです。
やはり島原は厳しい歴史の背景があるんですね。
2019-11-23 22:31 : トトパパ URL : 編集
No title
わけい様
たしかにこちらの雲仙地獄と雲仙温泉。
表裏一体ですね。
「温泉」と書いて「うんぜん」って普通は読めないと。
私も「温泉神社」は温泉の神様と以前は思っていました。

近くに秘湯のようなところがあるのですよ。
白濁した温泉と趣のある建物。
登山の帰りに汗を流しています。
2019-11-24 20:04 : tor URL : 編集
No title
narayama2008様
別府の地獄と比べると規模は小さいですが
散歩感覚でまわれます。
今回もすべてをまわったわけではないのですが。
実際にここでキリシタンが拷問された歴史もあります。
まさに彼らにとっては地獄だったと思います。
2019-11-24 20:07 : tor URL : 編集
No title
トトパパ様
別府ほどの規模ではないですが
観光の目玉の一つです。
しかし悲しい歴史もあり複雑ですね。
近くに湯快リゾートありますよ。
2019-11-24 20:09 : tor URL : 編集
No title
雲仙地獄より私には別府の地獄の方が馴染みがあります。
呼び方も単純で海地獄、赤池地獄、坊主地獄等ありましたね。
小学校の修学旅行で行きましたが、子供には判りやすいい呼び方
だったからでしょうか。
2019-11-25 06:30 : エースの城 URL : 編集
No title
地獄めぐり
硫黄やガスがいっぱい出てますねぇ

これだけ 力強い地獄だと温泉が
期待できますね!
2019-11-25 12:45 : おとめ URL : 編集
No title
エースの城様
別府の地獄に比べるとこちらは小規模です。
一時間も有ればゆっくり歩いてまわれます。
迫力も別府の方がありますね。
宿泊してちょっと宿から散歩にって感じのところです。
2019-11-25 19:52 : tor URL : 編集
No title
おとめ様
おっしゃるとおり良い温泉地ですよ。
私が雲仙岳登山の際
下山後に汗を流す共同浴場が秘湯って感じで
おススメです。
白濁のお湯ですよ。
名前も「小地獄温泉」です。
2019-11-25 19:55 : tor URL : 編集
No title
torさん、こんばんは(^-^)
地獄は コワいですネ~
立山にも 色々な地獄があります。針の山は 剱岳です。
昔の人は 見たり聞いたり想像したりして 地獄や極楽を感じていたのでしょうネ。
2019-11-25 21:07 : けいちゃん URL : 編集
No title
けいちゃん様
コメントありがとうございます。
近くにお住まいなので
立山曼荼羅身近に感じられるのでしょうね。
新田次郎さん「劒岳 点の記」読みましたよ。
冬の立山見てみたいです。
本心は登ってみたいですが。
2019-11-26 20:15 : tor URL : 編集
No title
本当に地獄ですね・・・。
映画『沈黙』の、切支丹に熱湯をかける拷問を思いだしてしまいました・・・。
それがあるので、あまり雲仙で「ゆっくり温泉につかろう」という気にはならないんですよね・・・。
2020-01-27 22:52 : 家ニスタ URL : 編集
No title
家ニスタ様
今は観光地ですがキリシタンの拷問も行われた地ですね。
つい最近観光用駐車場が陥没して蒸気が噴出したそうです。
駐車場は使用禁止となったそうです。
ここでは地球が生きていることも感じることができます。
2020-01-28 21:30 : tor URL : 編集
No title
温泉地獄というと別府を連想するのですが、雲仙も歴史的にも有名な所ですねえ。凄い景観ですねえ@@
こちらでは温泉は多いのですが、こういう景観は見られないですねえ^^悲しい歴史もありますが、一度は見たい風景ですねえ@@
2020-02-09 10:46 : つとつと URL : 編集
No title
つとつと様
地獄は別府が有名ですね。
こちらは小規模ですが
キリシタンの悲しい歴史があります。
先月ここの駐車場が噴気により陥没して
使用不能になったそうです。
噴気の流れが変わったようです。
普賢岳の噴火の記憶もまだ残っていますが
地球は生きていると感じますね。
2020-02-09 19:00 : tor URL : 編集
« next  ホーム  prev »

プロフィール

tor

tor
健康のためにジョギングやウォーキングを楽しみ、山に登ったり、
美味しい物を食べたり、
神社や寺院巡りをしています。

アクセスカウンター

カレンダー

02 | 2023/03 | 04
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

ブログ村

人気ブログランキング

ブログ村読者登録

走る・登る・食べる - にほんブログ村
ブログ村読者登録

最新記事 (サムネイル付)

コッペパン ハッピーターン味 Mar 25, 2023
阿蘇くまもと空港 新ターミナルビル オープン🎉 Mar 23, 2023
ピコラさくら抹茶味 Mar 22, 2023
「ソニー半導体の奇跡」を読んで Mar 20, 2023
南阿蘇村「大地の風」さん Mar 17, 2023

フリーエリア

PVアクセスランキング にほんブログ村