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前田家別邸

小説「草枕」の舞台、ジブリ「風立ちぬ」堀越二郎の住む家のモデル

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距離は短いですが
道幅が狭いので運転注意!!

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数台駐車できます。

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大きな別邸ですね。
一部が復元されています。

熊本の名士前田案山子が来客をもてなすために建てたものです。
彼は肥後国玉名郡小天村の豪族に産まれ
細川藩の槍指南を勤めるほどの武芸の達人でした。
明治維新後は農民とともに歩むと決意し案山子と改名。
自由民権運動の闘志としても活躍しました。
「城下(熊本)まで、他人の土地は踏まずとも行ける」
と言われるほどの財産があったとか・・・

明治30年の大晦日に漱石は、ここを訪れ数日滞在しています。
その間の出来事をもとに、小説「草枕」を書いたそうです。

また宮﨑 駿監督は、社員旅行で行った熊本の小天の部屋を見て、
「風立ちぬ」で堀越二郎の住む離れとして使用したそうです。

「草枕」読んだことありますか?

「山路を登りながら、こう考えた。
智ちに働けば角が立つ。情に棹させば流される。
意地を通とおせば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」


有名な冒頭の一文ですが、
漢字が多く読み難い印象があり
私は全文読んだことはありませんでした。

ここを訪れる前に
ぜひ寄って欲しいのが
「草枕交流館」です。

ここで「草枕」と舞台となった小天についての
予備知識を入れてがお勧めです。

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浴場と離れが再現されています。

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こちらの浴槽に
主人公の画工が一人入っていたら・・・

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那美さんが入浴するために
階段を下りてくるのですね。

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「やがて階段の上に何物かあらわれた。
広い風呂場を照すものは、ただ一つの小さき釣り洋灯のみであるから、
この隔りでは澄切った空気を控えてさえ、確と物色はむずかしい。
まして立ち上がる湯気の、濃かなる雨に抑えられて、
逃場を失いたる今宵の風呂に、立つを誰とはもとより定めにくい。
一段を下り、二段を踏んで、
まともに、照らす灯影を浴びたる時でなくては、
男とも女とも声は掛けられぬ。
黒いものが一歩を下へ移した。踏む石は天鵞のごとく柔かと見えて、
足音を証にこれを律すれば、動かぬと評しても差支ない。
が輪廓は少しく浮き上がる。
余は画工だけあって人体の骨格については、存外視覚が鋭敏である。
何とも知れぬものの一段動いた時、
余は女と二人、この風呂場の中に在る事を覚った。」


ドキドキ!
幻想的というか、エロチックというか・・・?
漱石の実体験だそうですよ{%顔モジヘェー(シェイク)hdeco%}

入ってきたのは那美のモデルとなった
前田家のお嬢様ツナさん。
後片付けを終え、
女湯がぬるかったので、
もう遅いから誰も居ないと思って男湯にはいって入ったら、
夏目さんと山川さんがいたので慌ててとび出した」
のだそうです。

「輪廓は次第に白く浮きあがる。
今一歩を踏み出せば、せっかくの嫦娥が、
あわれ、俗界に堕落するよと思う刹那に、
緑の髪は、波を切る霊亀の尾のごとくに風を起して、莽と靡いた。
渦捲く煙りを劈いて、白い姿は階段を飛び上がる。
ホホホホと鋭どく笑う女の声が、廊下に響いて、
静かなる風呂場を次第に向へ遠退く。」


「ホホホホと鋭どく笑う女の声」
那美さん{%顔モジヒヤッ(シェイク)hdeco%}
魔性の女?
どんな女性だったのでしょうか?

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こちら女性用。

湯船が半地下なのは
自然流下でお湯が入る仕組みなのですね。
男湯に入り女湯へと流れていくようです。
冬だと女湯はぬるくなっているかもしれませんね。

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一段上に本館跡。

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「宿へ着いたのは夜の八時頃であったから、
家の具合庭の作り方は無論、
東西の区別さえわからなかった。
何だか廻廊のような所をしきりに引き廻されて、
しまいに六畳ほどの小さな座敷へ入れられた。」


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本館の中を通って
階段を上がって行ったのでしょうね。

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離れから本館跡と浴場を見ると・・・

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立っている場所にも部屋が有ったようです。
漱石の宿泊した6畳の部屋は復元されています。

「仰向に寝ながら、偶然目を開けて見ると欄間に、
朱塗りの縁をとった額がかかっている。
文字は寝ながらも竹影払階塵不動と明らかに読まれる。
大徹という落款もたしかに見える。
余は書においては皆無鑒識のない男だが、
平生から、黄檗の高泉和尚の筆致を愛している。
隠元も即非も木庵もそれぞれに面白味はあるが、
高泉の字が一番蒼勁でしかも雅馴である。
今この七字を見ると、筆のあたりから手の運び具合、
どうしても高泉としか思われない。
しかし現に大徹とあるからには別人だろう。
ことによると黄檗に大徹という坊主がいたかも知れぬ。」


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小説どおりの額がかかっています。

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外へまわってみます。

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小説では
床にかかっているのは若冲の鶴の図でしたが・・・

「床の隣りは違い棚を略して、普通の戸棚につづく。
戸棚の中には何があるか分らない。」


小説の描写どおりの部屋です。

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北側から見た離れ。

宮﨑 駿監督が「風立ちぬ」に使おうと発想した・・・?

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かんてらや師走の宿に寝つかれず 漱石
この離れに泊まった際に詠まれた句だそうです。

「その晩は例の竹が、枕元で婆娑ついて、寝られない。
障子をあけたら、庭は一面の草原で、夏の夜の月明かなるに、
眼を走しらせると、垣も塀もあらばこそ、
まともに大きな草山に続いている。
草山の向うはすぐ大海原で
どどんどどんと大きな濤が人の世を威嚇しに来る。
余はとうとう夜の明けるまで一睡もせずに、
怪し気な蚊帳のうちに辛防しながら、
まるで草双紙にでもありそうな事だと考えた。」

小説ではこのように書いてましたが・・・
年末に一人残してきた
鏡子夫人のことが気になったのでしょうか・・・?

夏目漱石といえば
「坊ちゃん」「吾輩は猫である」は
小中学生時代に読んだ記憶があるのですが・・・
「草枕」は手ごわいイメージがあって読みませんでした。

こうして宿泊した建物に来てみたり
「草枕交流館」で教えてもらったりしてみると
熊本市に住んでいるので
小説片手に「草枕」の世界をまわってみたくなりました。

ところで
那美さんのモデルは

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前田ツナさんです。

妹ツチは宮崎滔天の妻です。
二人と前田家は日本で孫文を支援して、辛亥革命を支援しました。

NHK連続テレビ小説「花子とアン」覚えていますか?
伊藤伝右衛門と結婚していた白蓮の駆け落ちの相手
宮崎龍介は宮崎滔天ツチ夫婦の長男です。
小学校時代の龍介は前田家別邸でツナと過ごし
白蓮と結婚した後もツナとともに暮らしていたそうです。

「ホホホホと鋭どく笑う女の声」
ツナさんの性格が分かったような…

「草枕交流館」では
興味深い話が聞けますよ。
(仕入れたネタは次の機会に・・・)
「草枕」の道は深いと感じました。

「草枕」興味のでた方、青空文庫で読むことができますよ。


※ 夏目漱石著 「草枕」より

草枕交流館
熊本県玉名市天水町小天735-1
TEL  0968-82-4511
開館 9:00~17:00
休館 水曜日
料金 無料
http://www.kusamakura.jp/web/kouryukan/kouryukan-syoukai.html

前田家別宅
熊本県玉名市天水町小天766‐3
公開 9:00~17:00
料金 無料
http://www.kusamakura.jp/web/maedake/kusamakura_bettei_top.html


2017-11-27 21:42 : 史蹟 : コメント : 0 :
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